イベント帰り。
元彼の営むバーへ。

話の流れで、不意に。
「まっすぐな人って、きっとずっとまっすぐだったよね」

まっすぐな人にあこがれてきた。
自分は曲がっているように思ってきたから。
きっと素直な愛情を受けたであろう、まっすぐな人にあこがれた。
真似てみてもフェイクでしかない。
追いつけない。

少し間を置いて、彼が答える。

「ああ、まっすぐだろうね。
あいつらはきっと、曲がる時にもまっすぐに曲がるんだろうね」

私の真意をどこまでくみ取っているのかはわからないけれど。
彼のこういうセンスが好きだ。

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